日時:2021年1月30日(土)13:00 ~ 17:00
開催方法:WEB配信(Zoom/Youtube)
参加者(事前申込):96名
<内訳>
患者会 患者・家族:50家族61名
企業関係者:22名
医療関係者:4名
一般:7家族9名
当日の視聴状況:
Zoom参加者:41名
Youtube再生回数(※) 前半87回/後半50回
※ページの更新を含め、動画が読み込まれた回数です。実際の視聴人数とは一致しない事があります。
参加者所属患者会・団体(敬称略・順不同)
全国尿素サイクル異常症患者と家族の会
Fabry NEXT
シトルリン血症の会
glut1異常症患者会
ALDの未来を考える会
日本ニーマン・ピック病の会
ミトコンドリア病患者会
ひだまりたんぽぽの会
日本ムコ多糖症患者家族の会
ニーマン・ピック病C型患者家族の会
フェニルケトン尿症親の会連絡協議会
シトリン財団協会
健やか親子支援協会
2021年1月30日(土)、WEB配信にて、第7回(2020年度)先天代謝異常症患者会フォーラムが開催されました。
開会に先立ち、患者会フォーラム実行委員会委員長の高柳正樹先生(帝京平成大学)よりご挨拶と、COVID-19感染拡大の影響で昨年度予定していたフォーラムの開催が見送られた後、本年度WEB配信形式での開催に至った経緯についてお話いただきました。
高柳 正樹 先生(帝京平成大学)
最初の講演は、中村公俊先生(熊本大学)から、「小児難病の早期診断と新生児スクリーニング」という演題でお話いただきました。現在の新生児スクリーニングの方法や対象疾患について解説いただくとともに、治療法のある疾患に対する拡大スクリーニングについて、重要性や取り組み状況、進展における課題などを、例を挙げながら詳しくお話いただきました。
中村 公俊 先生(熊本大学)
続いて、伊藤哲哉先生(藤田医科大学)より、「特殊ミルク、ずっとタダだといいのにね!」という演題でお話いただきました。治療に用いられる特殊ミルクについて、詳しい分類・品目や供給状況に加え、乳業会社の費用負担や生産量の限界などの問題についてご説明いただきました。そして、今後も無料での供給を安定して継続できるよう、特殊ミルクの無駄のない適正な使用について呼びかけられました。
伊藤 哲哉 先生(藤田医科大学)
前半最後の講演は、JaSMIn事務局の山下和香奈(国立成育医療研究センター)より、「先天代謝異常症患者登録制度(JaSMIn)の最新報告」という演題で、最新のJaSMInの登録状況・活動状況についてご報告させていただきました。活動の一つとして、2019年に事務局が主体で実施した「移行期医療についてのアンケート調査」について、検討中の結果の一部をご紹介いたしました。引き続きJaSMIn事務局では、みなさまのお力のもと、JaSMInの維持発展に努めてまいります。
山下 和香奈(国立成育医療研究センター)
休憩を挟み後半最初の講演は、窪田満先生(国立成育医療研究センター)より、「小児慢性疾患のトランジション」という演題でお話いただきました。成人移行支援の障壁や、国立成育医療研究センターでの取り組み、先天代謝異常症のトランジションなどについて、窪田先生の豊富なご経験をもとに、症例も交え大変具体的なお話をしていただきました。最後に、トランジションとは「その人にとって一番良い医療を探すこと」とされたうえで、移行期には独特のアプローチが必要であり、移行期を支える全ての登場人物に役割があるのだというお話で講演を締めくくられました。
窪田 満 先生(国立成育医療研究センター)
フォーラム最後の講演は、奥山虎之先生(国立成育医療研究センター)の「酵素製剤の脳室内投与によるムコ多糖症II型に対する知的障害予防に有効な新しい酵素補充療法の開発 ―日本発・世界初の試み」でした。これまで先生が力を注いで来られ、2021年1月22日に国内の製造販売承認を取得した、ムコ多糖症II型治療薬「ヒュンタラーゼ」の脳室内投与による治療について、ご講演いただきました。“なぜ、脳を守る治療法が必要か?”として、脳室内投与により中枢神経にアプローチする作用機序や臨床試験で得られた結果など、詳しく解説していただきました。
奥山 虎之 先生(国立成育医療研究センター)
各講演の最後には質疑応答の時間が設けられ、参加者からチャットで寄せられた質問に、講演者の先生がお答えしていきました。
最後に、高柳先生より閉会のご挨拶があり、本フォーラムの運営を担当いただいた千葉県こども病院代謝科の先生方、ご講演いただいた先生方、そして参加いただいたみなさまへ感謝の念を伝えられました。WEB配信という前回までとは異なる形式でしたが、第7回先天代謝異常症患者会フォーラムが、盛況のうちに閉会しましたことをご報告いたします。
全文PDFは以下よりダウンロードできます。