研究実施施設:国立成育医療研究センター、大阪市立大学附属病院
研究代表者:奥山虎之(国立成育医療研究センター)
ムコ多糖症II型の中枢神経症状に対する新規治療法の開発として、“医師主導治験による酵素製剤の脳室内投与の第I/II相臨床試験”が2016年6月20日から国立成育医療研究センターと大阪市立大学医学部付属病院で開始されました。
現行の静脈内投与による酵素補充療法では、中枢神経症状の進行を抑制することは困難です。それは、血液脳関門(BBB、Blood Brain Barrier)の存在により、血管内の酵素が脳内に到達することができないためと考えられています。本治験では、患者の脳室内に酵素製剤を投与し、薬がBBBを通過し脳内に届くようにすることで、中枢神経症状の進行を抑制することを目的としています。また、本治験では、JaSMInに登録されているムコ多糖症II型患者さんを対象に発達状況について調査を行い、薬の有効性を評価するための基礎データとして活用しています。
本治験の総責任者である国立成育医療研究センターの奥山虎之先生は、“本治験で新しい治療法の有効性を証明し、一日でも早く患者さんが治療を受けられるように承認を目指します。”とコメントしました。なお、本治験は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の早期探索的・国際水準臨床研究事業による研究開発費の支援を受けております。