日本先天代謝異常学会 患者登録委員会 新委員
自己紹介記事「飯島 弘之(いいじま ひろゆき)先生」
氏名:飯島 弘之
所属:国立成育医療研究センター総合診療部
出身地:宮城県
趣味:ボードゲーム
専門分野:尿素サイクル異常症、有機酸代謝異常症、ミトコンドリア病、糖原病など
<メッセージ>
はじめまして、国立成育医療研究センターの総合診療部に所属している飯島弘之です。この度JaSMInに関わらせて頂くことになりましたので、これからどうぞ宜しくお願い致します。
私は代謝異常症を専門にしていますが、特定の先天性代謝疾患に特化して研究を行っているわけではなく、普段は代謝異常を含めた生まれつきの病気をお持ちの方の日々の体調管理や、人工呼吸器や経管栄養などの医療的ケア、体調不良時の対応を行っています。また、生まれつきのご病気がない(と考えられる)方についても、体重の増えや身長、頭の大きさが気になる、熱を繰り返す、頭痛や腹痛、吐き気、不登校、新型コロナウイルスの後遺症の診療などにも携わらせて頂いております。
日々の診療の中で、肺炎など病気を治せる場合はもちろん治療を行いますが、根本的には病気を治すことができないということを、特に先天代謝異常症ではよく経験します。そのような場合には、症状を可能な限り軽減し、後遺症や長期合併症を防ぐことが当然重要です。そしてそれと同じくらい大切なことは、患者さん本人と家族の生活の負担をなるべく増やさないことだと考えています。代謝異常症の治療管理において、どうしてもミルクの量、タンパク質(アミノ酸)の量、血液検査の結果に気を取られがちになりますが、数字合わせが最優先事項にならないように気を付けるよう心がけています。
最後に、先天代謝異常症はたくさんの種類がありますが知名度は全体的に低く、患者さんだけではなく医療者もその疾患を知らないということは珍しくありません。1つ1つの代謝疾患に精通する必要はなく、先天性代謝異常症という大まかな括りでの知識があれば専門家でなくても早期発見、早期治療に繋げることができるため、先天代謝異常症の周知という側面からも活動を続けたいと考えております。
全文PDFは以下よりダウンロードできます。